高橋留美子さんが2020年秋の褒章受章に選ばれたことに関して、
久しぶりにるーみっくわーるどとの思い出を語ってみたいと思います。
るーみっくわーるどとの出会い
るーみっくわーるどに私が出会ったのは小学生の頃。
そう・・1979年からスタートした「うる星やつら」に
小学生にしてドハマりしてしまったのです。
私の漫画人生は
高橋留美子さんの漫画との出会いから始まった
といっても過言ではありません。
初めて自分で買った漫画もうる星やつらだし、
こんなに面白い漫画を生み出す高橋留美子ってどんな人!?と
るーみっくわーるど関連の本も買って読み漁ってました。
当時、親からは
「若い女の子が水着でウロチョロしている漫画なんて・・
子供が読むものじゃない」
と破廉恥と言わんばかりでしたが、
確かに、当時は少年漫画や少女漫画にエロ的な要素は微塵もない中、
年中ビキニ姿のラムちゃんを生み出した高橋留美子先生は素晴らしいと思います。
逆に今の少女漫画を読むと、
え、今の高校生ってそんなにやりまくってるの!?と思ってしまいますが
そして、「うる星やつら」と同じくハマったのが
1980年からスタートした「めぞん一刻」。
どちらかといえば主人公もヒロインも
「うる星やつら」と「めぞん一刻」では真反対。
諸星あたるは楽観的かつセクハラ上等の超能天気ぶりに対し、
五代裕作は優しいけど意思が弱く流されやいタイプ。
ラムは無邪気で天真爛漫だけど、
音無響子は穏やかで優しいタイプ。
どちらもギャグコメディ的な要素をもちつつも、
「うる星やつら」はどこまでもドタバタしていて、
「めぞん一刻」は流れが穏やか。
食べ物で言えば、
ガッツリかぶりつくハンバーガーと、
落ち着いて食べるわらび餅、
みたいな?
どっちかだけより、
両方楽しめた方が嬉しい!
だからこそ「うる星やつら」と「めぞん一刻」の両方のラブコメ展開に
どこまでも引き込まれたのだろうと思います。
底力がある漫画家さんが多かった時代
しかし、両方同時に連載するとは・・おそるべし!なのですが、
1990年代って高河ゆんとかCLAMPとかもガンガン連載していて、
ホント漫画を描くのが好きだから漫画家なんだなあと思わせられました。
高河ゆんとかCLAMPもどちらも大好物なのですが、
高河ゆんの「源氏」がかれこれ10年以上前から未完なのが今でも残念。
(もう一度最初から書いて完結まで行ってほしいんですけどね~)
おっと、高橋留美子先生に話を戻しましょう。
私が子供じゃなくなってしまった頃
その後「らんま1/2」も途中まで楽しく見ていたのですが・・
私の少女時代が終わったのか、
実はここで高橋留美子さんの作品から離れてしまいました・・
高橋留美子さんの作品は
常にその時代のサンデー読者に受けるキャラでありストーリーなんですよ。
自分は悲しいかな、年を取っていってしまったので、
その読者層とはフックが異なってしまったのです(涙)
何年たってもその層の読者に受け入れられる展開が描けるのは
もう才能としか言えないのかもしれません。
しかも、「らんま1/2」といえば女体化!
今でこそオトコの娘なんぞ当たり前ですが、
男の主人公を女にもしてしまう、
この発想力には頭が下がります。
だけど悲しいかな・・
ちょこっと大人への進んでしまった私には
「らんま1/2」のノリについてけず・・
その後の「犬夜叉」や「境界のRINNE」も
超大人気になっているのが気になりつつも、
自分でコミックスを買うほどではなくなってしまいました。
ヒット作を生み出し続ける秘訣を(勝手に)考えてみる
しかし、
全てが長期連載、そしてアニメ化される漫画を生み出し続ける
この底力は一体何なのか。
大ヒットを生み出す漫画家はその時代、その時代にいますが、
30年、40年たっても、
1つの作品が終わったら即別の作品の連載をスタートさせ、
その全てでヒットを飛ばし続ける漫画家はいないかもしれません。
ただ、これまでの連載作品を並べてみていくと、
少し見えてくるものがあります。
先ほど挙げた「うる星やつら」と「めぞん一刻」は
同じラブコメでも主人公のタイプを変えることで違う視点が楽しめる反面、
少し大人向けな要素もありました。
その後始まった「らんま1/2」では子供向けを意識しバトルとギャグ要素を増やし、
次の「犬夜叉」では伝奇ものでシリアスなバトル(ギャグは味付け程度)、
次の「境界のRINNE」ではバトル要素を残しつつコメディ要素を増やし、
現在の「MAO」では「犬夜叉」と雰囲気が似つつも、主人公をクール(ちょっと暗い?)でマイペースなキャラにしました。
つまり、前作と完全に真逆なものを生み出すのではなく、
前にはなかった要素を1つ付け加えるというやり方で
次の作品ができているように思ったのです。
そう考えると、ベースにあるものは同じ。
味付けと付け合わせ、盛り付ける皿を変えることで
全く別の料理に見せていると言えます。
これは何も変わった話ではなく、
じゃがいもと玉ねぎを和風にすれば肉じゃがになるし、
洋風に煮込めばポトフになり、
さらに牛乳を入れればシチューになり、
それを少し煮詰めてチーズを乗せて焼けばグラタンにもなります。
自分の得意なキャラやストーリー展開を知り、
あとはそれをどう見せるか。
これが長くヒット作を生み出し続けている秘訣の1つなのではないかな、
と思ったのです。
高橋留美子先生の漫画から、ビジネスの進み方を知る
そして、ちょっと考えてみて欲しいのですが、
自分には何もない・・わけはないと思うのです。
これまでの経験、趣味、好きなこと、やってみたいこと、
これらが全くない人はいないと思います。
だから、自分が持つその1つをそれだけで終わらせず、
どう調理するか。
味付けの方法はいろいろあるのだから、
その時その時でいろんなパターンを楽しめばいいじゃない!
1本道で前しか見ていなかった時には気づかなかったんですが、
まっすぐ進む道は近道だけど、めちゃめちゃ困難。
脇にそれてみたり、
一見要らないと思えるものを試しに拾ってみたり、
ちょっと回り道してみたり。
そしたら、あれ?と気づいたら、
本当にたどり着きたかった所にいつの間にか着いていたりしますよ。
と、ちょっといい感じにまとめて、
漫画を大人買いすることを肯定しつつ(笑)
終わりたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
追伸。
もしかして、今や「ラム」といったらうる星やつらのラムちゃんではなく、
リゼロのラムなんでしょうか・・
ラムよりレムの方が人気な気もするけど・・