病気の時とか熱がある時に無性に食べたくなる、
個人的にはある意味「病院食」だと思っているプッチンプリン。
ただ客観的に考えるとプッチンプリンってプリンじゃないんですよね。
本来「プリン(カスタードプディング)」とは、
プリン型に牛乳と砂糖を混ぜた卵液を流し込み、加熱してカスタードを凝固させた洋菓子のこと。
(茶碗蒸しと同じような感じで、家にある材料ですぐ作れますよ)
対して、プッチンプリンはゲル化剤で固めた、どちらかといえば「ゼリー」。
私のような味の分からない人間でも
「プリン(カスタードプディング)」と「プッチンプリン」では
味も食感も何もかも違うことが分かります^^;
でも「プリン」が食べたい時とは別に「プッチンプリン」が食べたい時があるんですよね。
これって他の食べ物でも言えて、
例えばチキンラーメンってどう考えてもラーメンじゃないけどラーメンですよね。
(意味不明な言い回しになっていることは重々承知・・・)
個人的な好みではインスタント袋麺でラーメンと言えば「チキンラーメン」より「出前一丁」、
焼きそばは「日清焼そば」なのですが、
やっぱりそれぞれ「ラーメン」じゃないし「焼きそば」じゃない。
(焼きそばといいつつ焼いてないし!)
でもプリンの時と同じで、
「ラーメン」が食べたいんじゃなくて「出前一丁」が食べたい時、
「焼きそば」が食べたいんじゃなくて「日清焼そば」が食べたい時があるのです。
特に日清焼そばは具一切入れずに「味濃すぎ~~~」と言いながら食べてます^^;
でも数ヶ月に一度、あの”くどさ”を味わいたくなるんです・・
これって結構おもしろい現象だと思うんですよね。
「プッチンプリン」は厳密にいえば(いや、どう考えても)「プリン」じゃない。
でも、そう言いながらも「プリン」だとも思っていたりする。
もっと言えば「プッチンプリン」というプリンの新たなジャンルを作り上げたような感じ。
もちろん、食べ物の好みは人それぞれですから、
「プッチンプリンなんてプリンのバッタもん、存在自体がプリンを侮辱している!!」
と思う人もいるでしょうし、
「いやいや、グリコのプッチンプリンより明治のとろとろプリンでしょう!」
と言う人もいるでしょう。
でも、少なくともロングセラー商品として売れ続けている以上、
一定数の人たちに受け入れられているということです。
つまり、切り口、魅せ方次第で、違う価値を提供できるし、価値を感じてもらえる人がいるということです。
「プッチンプリン」も洋菓子店にあるような”プディング”と原材料や味で勝負しても多分勝てません。
でも味もそこそこおいしくて、スーパーで安い値段で買える、更にプッチンする楽しみ! と、
違う切り口から新しく価値を創造することで
プリンより「プッチンプリンが食べたい」という欲求を生み出すくらいの商品となったのです。
インスタントラーメンだって、
長期保存できる、すぐに作れる、誰が作っても味が変わらない手軽さから
ラーメンとは別の「インスタント袋麺」という新しいラーメンのジャンルを作り、
更に鍋すら不要の「インスタントカップ麺」もジャンルとして出来ました。
そして、それぞれ、どれもが売れています。
カップ麺があるから袋麺が売れないわけじゃないし、
インスタントで手軽に食べられるからと言ってラーメン屋がつぶれるわけでもありません。
(もちろん、それぞれの中で競争はありますけどね)
視点をどうずらすかで、いくらでも新しい価値は提供できます。
そう考えると、ライバルが多いとか、今さら参入しても遅いのでは・・なんて悩みは不要なんだと思えますよね。